【8月4日 CNS】北京理工大学(Beijing Institute of Technology)珠海学院の第1食堂は昨年末、華南地方で初のごみ処理設備を導入した。「厨房ごみ」を発酵腐熟させて有機肥料にし、厨房ごみの「ゼロ搬出」を実現、ごみ処理の全てのプロセスを安全かつエコでクリーンなものとし、珠海市(Zhuhai)のごみ処理の「模範的実践」ケースとなっている。

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■1日に500キログラム以上のごみをのみ込む「ごみ食い巨人」

 食堂では、「ごみ食い巨人」と呼ばれるごみ処理設備がある。職員らはおおまかに分別された厨房ごみを設備に投入し、スイッチを軽くタッチすると、設備は静かに動き始める。

 同地区市場監督局の責任者の彭仲双(Peng Zhongshuang)さんによると、設備は自動運転で、職員が常に様子を見る必要はないという。厨房ごみを投入後、固体と液体の分離、油脂と水分の分離を行い、分離された液体は処理後、排出基準に達してから排出し、油脂は専門資格を有する企業が回収。固形有機ごみは野菜や果物カス、鶏や魚肉廃棄物であれば微生物分解法により高速分解を行い、種々の処理を経て肥料や高たんぱく飼料の添加剤などの再利用可能な資源とするという。

 同設備の1日の処理可能な厨房ごみの量は500~600キログラムで、設備周辺はクリーンで異臭はなく、無害化、資源化、ごみゼロを実現したと彭さんは語る。

■モデルケースとしての厨房ごみ「ゼロ搬出」

 伝統的な埋め立てや焼却処理と異なり、同設備は「好気性堆肥化」の技術を採用することにより、厨房ごみを宝に変えている。50キログラムのごみから5キログラムの農業用肥料をつくり出し、厨房ごみの減量化と無害化を実現したとしている。

 一方、コスト面で見ると、同設備の運用、維持コストは安くはない。市場の仕組みや政府の補填などの支持がなければ、一般飲食店などで長期的に資金を投入して使用し続けることは難しいという。(c)CNS-南方日報/JCM/AFPBB News