【7月6日 CNS】中国・上海市では1日、新たな「生活ごみ管理条例」が施行され、ごみ分類が義務として行われる時代へ突入した。「分類ごみ」関連の新たな政策が各地に広がっていくに従い、分類ごみの「訪問回収」を行う新興ビジネスが生まれている。

 ネット予約による「訪問回収」では、まず顧客がオンラインで予約をする。その後、回収員が訪問し、ごみを引き取る。現在、全国で数千人の回収員がいるという。

「訪問回収員」には専業と兼業の2種類があり、専業回収員の仕事は、定点回収と訪問回収だ。例えば、午前中は定点回収を、午後は訪問回収を行う。兼業の場合、町内の清掃員や不動産管理会社の従業員らが本業の傍ら、ごみを回収するので収入を増やすことができる。

 支付宝(アリペイ、Alipay)のごみ分類回収プラットフォームの責任者、譚薇薇(Tan Weiwei)さんによると、「現在、アリペイのアプリを使って、宅配便の発送と同じように、ごみの回収も簡単にオンライン予約ができる。新聞紙、段ボール、ペットボトル、家電、割れたガラスなど、引き取り料無料で訪問回収している」とのことだ。

■月収は16万円を超えることも

 羅奇(Luo Qi)さん(30)は上海の環境関連会社で働く「訪問回収員」だ。担当業務は宝山区(Baoshan)廟行鎮(Miaohang)の一角のごみ回収だ。羅さんは毎日、5、6件の訪問回収の依頼を受け、回収可能ごみを引き取る代わりに、重量に応じて相応の金額を相手に渡す。

 羅さんの収入は2つの部分に分かれる。1つは会社が支給する基本給で約5000元(約7万8000円)だ。訪問回収以外に、ごみの分類や包装などの仕事を受け持つ。もう1つは、アリペイプラットフォーム上の回収ごみの公示価格と会社指定の回収価格の差額で、全部、回収員本人のものとなる。

 この数カ月、分別ごみに対する意識の向上とネット予約の便利性で、訪問回収の依頼件数は急激に増えており、「頑張れば月収1万元(約16万円)は超える」とのことだ。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News