■専属市場

 フーシ派が運営する政府の通商産業省で政務次官(国内交易担当)を務めるアブドラ・ノアマン(Abdullah Noaman)氏はMEEに対し、連合軍にはイエメン経済を、買い手が選択する余地のない「専属市場」にする狙いがあるとの見解を示した。サヌア旧市街のデーツ商人、ムハンマド・カベシ(Mohammed al-Qabesi)さんによると、ラマダン中の軽食として人気のデーツはすべてサウジアラビア産だという。

 同じく旧市街に店を構えるムハンマド・ハドリ(Mohammed al-Hadhri)さんは、連合軍に参加する国の商品を買わざるを得ないように感じている。というのも、そうした商品は一番安く、入手しやすいからだ。他地域産の品を仕入れても、納品が遅れることが多いという。「代替品の許可証発行は、2015年以来、常に遅れていると聞いている」とハドリさんは語る。

 サヌア在住のイエメン人ジャーナリスト、アフメド・ムフタフィ(Ahmed al-Mukhtafi)さんは、サウジやUAEの商品は意図的に入手しやすくなっていると語る。「イエメンへの入り口はサウジアラビアとUAEによって完全に支配されている。サウジやUAEのものでない商品は、イエメンに入ってこられない」

「これはいたって明白だ。というのも、『侵略』以前はさまざまな国からの商品が手に入った。今は絶対に無理だ」

By Naseh Shaker

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