【5月24日 AFP】中国サッカー協会(CFA)は24日、同国代表の監督にマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)氏を再び招へいしたと発表した。リッピ氏は4か月前にその座を退いたばかりだったが、後任となったファビオ・カンナヴァーロ(Fabio Cannavaro)氏は結果を残せていなかった。

 同国内メディアで広く報じられていた71歳のリッピ氏の再任は、ファンから歓迎を受けるだろう。

 1月に行われた第17回アジアカップ(2019 AFC Asian Cup)の準々決勝で敗退し、指揮官を退任していたリッピ氏は、W杯カタール大会(2022 World Cup)出場という使命を負うことになった。

 中国がW杯に出場したのは2002年大会の一度だけで、この時チームは勝ち点を挙げることはおろかゴールを決めることさえできなかった。

 CFAは発表の中で、「リッピ氏が就任してから、チームは前向きで粘り強い闘争心を見せている」と記した。「将来、リッピ氏とそのコーチングスタッフに導かれた中国代表チームが、W杯という自分たちの夢にしっかりとした影響を与える日が訪れることを信じている」

 人口約14億人の中国は世界ランキングで74位タイに沈んでおり、これは同55万人のカボベルデをわずかに一つ上回るだけとなっている。

 しかし、サッカー好きで知られる習近平(Xi Jinping)国家主席の下、中国はW杯の開催だけでなく、同大会で優勝するという野心を抱いている。

 イタリアを率いて2006年のW杯を制したリッピ氏が指揮官に復帰するまでの4か月間は、中国にとって混乱と思索の時期だった。

 リッピ氏の後任には、2006年大会でイタリアのキャプテンを務めた45歳のカンナヴァーロ氏が就任したが、中国スーパーリーグ(1部)の強豪である広州恒大(Guangzhou Evergrande FC)との兼任指揮官になった。

 しかし、就任後最初の2試合でランキング下位のタイとウズベキスタンに敗れたカンナヴァーロ氏は、二つのチームを同時に指揮することはできないと述べ、すぐに辞任を発表していた。

 そうした中で指揮官に復帰したのが、広州恒大を3度のリーグ王者に輝き、最初に中国を率いていた際には世界で最も高い給料を受け取っていたリッピ氏だった。

 1期目同様、今回もリッピ氏には高い年俸が用意されているようで、中国メディアによれば広州恒大によって助成されるという。

 リッピ氏は来月7日にホームで行われるフィリピンとの親善試合で復帰戦を飾り、11日にはタジキスタンと対戦する。

 カタールW杯に向けたアジア2次予選は、9月にスタートする。(c)AFP/Peter STEBBINGS