【5月17日 AFP】米財務省が15日に公表したデータによると、中国による3月の米国債保有額が2年ぶりの低水準となった。米中貿易戦争が長期化する中、中国は米国債の持ち高を減らしている。

 中国の3月の米国債保有額は前月比で104億ドル(約1兆1400億円)減少し、2017年5月以来最低の1兆1205億ドル(約120兆円)となった。減少は昨年11月以来。5月に入ってからの米中貿易協議での突然の物別れは反映されていない。

 スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)米財務長官は、中国は米国債を今後も買い続けるとの楽観的な見方を示し、記者団に「(米国債は)優良投資だからだ」と述べた。

 米国債の売り越しが進めば、米政府にとっては財政赤字が膨らむ中、借り入れコストが上昇する可能性がある。だが米国で中央銀行機能を持つ連邦準備制度理事会(FRB)は、中国の売り越し分を購入することも選択できる。

 実際、3月の外国勢の米国債保有額は全体で880億ドル(約9兆7000億円)増えており、中国の減少分を他の外国勢が補完して余りある状態となっている。(c)AFP