【5月5日 AFP】ボクシングWBC、WBAスーパー、IBF世界ミドル級3団体統一戦が4日、米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナ(T-Mobile Arena)で行われ、「カネロ」ことサウル・アルバレス(Saul Alvarez、メキシコ)が判定の末3-0(115-113、115-113、116-112)でダニエル・ジェイコブス(Daniel Jacobs、米国)を下し、統一王座を獲得した。

 どんな相手にも立ち向かう姿勢と、エキサイティングな戦いでボクシング界随一のスターとなったアルバレスだが、ミドル級復帰戦となるこの日の試合で見せたのは、最後まで崩れない堅実なディフェンスだった。

 メキシコのボクサーとして初の3団体統一を果たしたアルバレスは「こうなるだろうと思っていたとおりになった」とすると、「やることをやった。パンチやコンビネーションの面では双方がバリエーションを見せた。美しい試合だった」と語った。

 序盤から力のあるジャブを打ち込み、ジェイコブスの頭を狙ったパンチは空を切らせるというフロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.)が喜びそうなスタイルで主導権を握ったアルバレスは、6回までは試合をコントロールしているように見えた。

 一方、そこまでオーソドックスとサウスポーで構えを切り替えてアルバレスの目先を変えるくらいしか見せ場のなかったジェイコブスは、陣営からチャンスを広げに行けとハッパを掛けられたこともあって、9回にはこの日一番となる大振りのフックをアルバレスの頭に打ち込んだ。

 これで自信を得たジェイコブスに対し、アルバレスも負けじとリスクを冒して勝利を目指す姿勢を示し始めたことで、10回にはさらに何度か良いパンチの応酬も見られたが、最後は効果的に得点を重ねたアルバレスをジャッジが支持した。

 メイウェザーに敗れた2013年の試合以降、アルバレスはこれで10勝(5KO)1分と無敗を維持し、年齢も28歳と引き続き脂が乗っている。今後はデメトリアス・アンドラーデ(Demetrius Andrade)が持つWBOのベルトを獲得し、4団体を統一することを目指していく。(c)AFP