【4月17日 AFP】サッカーイラン代表を長年率いたカルロス・ケイロス(Carlos Queiroz)前監督が、当時の給料の一部がイラン・イスラム共和国サッカー連盟(FFIRI)からいまだに支払われていないことを受けて、国際サッカー連盟(FIFA)に提訴した。監督の広報担当者が16日に明かした。

 ケイロス前監督は、FFIRIとの最後の2回分の契約について申し立てを行っている。広報は「残念ながらFIFAの法務部に訴え出る以外なかった」と話した。

 レアル・マドリード(Real Madrid)の監督やマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の助監督などを務めたケイロス前監督は、イラン代表を8年にわたって率い、W杯(World Cup)でも2回指揮。2018年のW杯ロシア大会後に契約を更新し、準決勝で敗れた第17回アジアカップ(2019 AFC Asian Cup)限りで退任した。現在はコロンビア代表を率いている。

 一方のFFIRIは、準国営のイラン学生通信(ISNA)に対して、未払いの原因は米国の制裁によって銀行への送金が制限されているからだと話している。また、法的な問題についてFIFAに仲裁役を依頼したとも話し、FIFAの倫理委員会にケイロス前監督に関する苦情を申し立てたことを明かしている。

 米国は昨年5月、弾道ミサイルの実験を行って国連(UN)決議に違反したとして、イランと関連企業を対象とした制裁を再開している。(c)AFP