【1月29日 AFP】サッカーイラン代表を率いていたカルロス・ケイロス(Carlos Queiroz)監督は28日、指揮官を退任するにあたり、米歌手フランク・シナトラ(Frank Sinatra)氏の歌詞を引用しながら選手への思いを語った。

 ポルトガル出身のケイロス監督は、チーム・メッリ(Team Melli、イラン代表チームの愛称)が第17回アジアカップ(2019 AFC Asian Cup)準決勝で日本に0-3で敗れた後の会見で、「今、終わりの時がやってきた」と切り出した。「とても満足しているし、誇りに思っている――自分のやり方を通せたから」

 コロンビアの次期監督に就任する可能性を報じられている65歳のケイロス監督は、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)やレアル・マドリード(Real Madrid)、ポルトガル代表などで指揮を執った後、イラン代表指揮官として史上最長となる8年間近くを過ごした。

 しかしながら、今回のアジアカップではトロフィーを掲げた1976年大会後では通算6度目の準決勝敗退となり、大会前に優勝候補に挙げられていたイランでの政権は深い失望を味わう最後となってしまった。イランがアジア杯で日本と対戦するのはこれが4度目だったが、これまで一度も勝てていないどころか得点すら挙げられていなかったチームに対し、またしても白星を逃した上に、1988年大会以来では最も悔しい敗戦となった。

 しかし、イラン代表をW杯(World Cup)の本戦に2度導いているケイロス監督は、選手たちに対して心からの賛辞を贈り、自身の在任期間中に代表チームが母国に「自由の機会」をもたらしたことを言外にほのめかした。

「彼らは人々のために戦った」「彼らは他の国々に対して、イラン人は世界からもっと違う目で見られるべきであるというメッセージを送った」 (c)AFP