■海面上昇による思わぬ効果も

 ある晴れた日の午後、大勢の人が胸のあたりまで水につかりながらマングローブを植林していた。

 バンコク当局は2016年にマングローブ植林プロジェクトを立ち上げ、これまでに全国で84エーカー(約0.34平方キロ)相当の植林を実施した。

 また、植林以外でも、マングローブの根の代わりとなるよう海底や海岸線にコンクリートの柱を埋め込む活動も行われている。観光地パタヤ(Pattaya)では海岸沿いに柱が埋められており、これまでのところ効果がみられるという。

 ソムヌックさんの僧院周辺の海岸の浸食は今のところ食い止められているが、再び乾いた地面を見ることは絶望的だ。

 だが、海面上昇は思わぬ効果をもたらした。インスタ映えする自撮りスポットとして、この「水上寺院」に観光客の一団が押し寄せている。

「海岸浸食との闘いのおかげで有名になった」と、サムットジーンのウィサヌ・ゲーンサムット(Wisanu Kengsamut)村長は話した。(c)AFP/ Delphine THOUVENOT