【3月17日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)の天津天海(Tianjin Tianhai FC)に所属したアレシャンドレ・パト(Alexandre Pato)が16日、同クラブからの退団を発表し、中国サッカーへ別れを告げた。

 パトは新シーズン開幕からの2試合を欠場しており、本人は自身のSNSで「ごまかしは真実が明らかになるまでの時間稼ぎにすぎない」などと意味深長な発言を残していた。中国メディアは、クラブとの間に溝ができたためパトが退団を望んでいると報じていた。

 そしてパトはその望みをかなえ、契約解除金を自ら支払って天津との契約を打ち切り、自由契約になったという。中国のファンは、自分たちの国にうまくなじみ、文化を受け入れているようだとパトを称賛していたが、最後は後味の悪い別れとなった。中国メディアによればブラジル復帰が濃厚とみられている。

 それでもパトは、普段から使っていた中国版ツイッター(Twitter)の微博(ウェイボー、Weibo)に、英語と中国語で「親愛なる中国の友人たち」へメッセージを掲載した。

「僕の中国での冒険は終わりを迎えたことを伝えたい」と話したパトは、2017年にやって来た天津に「一目ぼれした」こと、また「天津の街、人、ファンはみんな素晴らしく、とても親切だった」「会えなくなるのがとても寂しい」ことを明かし、「中国へ来たおかげで、間違いなく人間として成長できた。新しい街や場所を訪れ、この素晴らしい国で違う文化と習慣を学んだ」とコメントした。

 パトはカンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のインテルナシオナウ(Internacional)でプロキャリアをスタートさせ、ペレ(Pele)氏と比較されるようになると、興味を示したイタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)へ2007年に移籍した。

 しかし約6年を過ごしたミランでは、度重なる負傷で徐々に本来の姿を見せられなくなり、その後の2017年、スペイン1部リーグのビジャレアル(Villarreal CF)から1800万ユーロ(約23億円)の移籍金で天津に加入した。天津では公式戦60試合に出場して36ゴールを挙げた。

 ブラジル代表でも27試合に出場しているが、2013年を最後に代表からは遠ざかっている。(c)AFP