【3月16日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は15日、2022年W杯カタール大会(2022 World Cup)の出場枠数を48に拡大する案の実現に向けて一歩踏み出し、適切な共催地が見つかることを条件に6月に可決することを目指している。

 FIFAのジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長が強く推進している拡大案については、内部調査によって実現の可能性が裏付けられたとして、米マイアミで開かれた評議会において全面的な支持を受けた。最終決定については、同連盟とカタールが共同で可能性のある共催国の名前を提出した後、6月6日にフランス・パリで開かれる総会で行われることになっている。

 インファンティーノ会長は記者会見で、「あなたがたの目の前には、上機嫌なFIFA会長がいる」と切り出すと、「私はいつも上機嫌だが、特にきょうはそうと言える。なぜなら、いくつか重要な決定がなされたからだ」と述べた。

「結論に至ったのは、そう、一定の条件を満たせばW杯が32チームから48チームに拡大する案が実現可能であるということだ」「われわれには、そのことを検討する義務がある。90パーセントは拡大に前向きだが、物事はそれほど簡単ではない。問題を慎重に分析し、カタールと緊密に連携していく必要がある」

 当初は米国、メキシコ、カナダで開催される2026年W杯(2026 World Cup)から採用する予定となっていた大会方式では、参加チームが現行の32から拡大し、試合数が64から80に増えることになった。これによって、大会期間を28日間に短縮して行われる2022年大会では、カタールを手助けする国が1か国あるいはそれ以上必要になる。

 候補としてはバーレーンやクウェート、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などが挙がっているが、カタールは現在これらの周辺諸国と断交状態にあり、多くの元同盟国から政治的に孤立している。

 FIFAの調査報告書では、バーレンをはじめクウェートやUAEが共催の意思があるなら、2017年から行われているカタールへの外交的封鎖を解除する必要があると指摘している。

 インファンティーノ会長は、「湾岸地域の情勢は把握している」とすると、「幸運にもわれわれはサッカーの世界にいる。つまり、サッカーのことだけ考えればいい。私はカタールの皆さんの反応を喜んでいる。決定を分析せずに後悔するようなことはしたくない」と述べた。(c)AFP/Steve Brenner