■2回目の国民投票

 期限が延長された場合、延長期間に何が起こるのかということは、ブレグジットの最大の謎の一つだ。

 対立する離脱支持派と反離脱派が過去2年にわたり見つけられなかった解決策が、突然見つかるわけはほぼない。だが、両派とも素早く何らかの行動に出るとみられる。

 2度目の国民投票の実施は、準備に時間がかかる上、議会の承認も必要となる。メイ氏は2回目の国民投票の実施を断固として拒否しており、おそらく政権交代と早期の選挙も必要となるだろう。

■協定案の行方

 12日に否決されたことを考えると、メイ氏がEUと合意した協定案が復活することはあり得そうもない。だが、引き続きメイ氏に有利に働いているいくつかの要素があり、メイ氏の戦略が崩れ去ったと報じるのは時期尚早だ。

 一つには、離脱支持派が、メイ氏が提案するEU離脱案は離脱支持派にとって最良の案であり、おそらくほぼ最後の離脱の機会であるということに徐々に気付き始めているということが挙げられる。

 また、EUは5月末の欧州議会議員選挙までに、英国の立場を定めることを望んでいることも、メイ氏にとって有利に働く。

 以上の2点から、メイ氏は近い将来再び、そして今度こそ最後となる、EUとの協定案の採決を提案するかもしれない。(c)AFP/Dmitry ZAKS