【3月13日 AFP】英国の欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット、Brexit)期限が29日に迫っているが、物語の終わりはまだ見えてこない。

 英議会は12日、テリーザ・メイ(Theresa May)首相がEUと合意した協定案を、賛成242、反対391の反対多数で否決した。これにより、「合意なき離脱」と「離脱延期」、双方の可能性が高まった。

 英議会では今週、EUと英国の46年におよぶ関係の行く末を最終的に決めることになるさらに二つの採決が行われる。

■合意なき離脱

 EUと新たな取り決めがされなければ、いわゆる合意なき離脱に自動的に突入する。メイ氏は13日の採決で、この潜在的に破滅的といえるシナリオに反対する機会を議会に与えることを余儀なくされた。

 貿易の混乱とポンド暴落の可能性が高まることは、メイ政権にとって耐えがたい事態といえる。

 議決は勧告的なものにすぎず、ぎりぎりの状態にあるブレグジットの危険を取り除く役には全く立たない。だが、EUに、英議会は秩序ある離脱しか合意するつもりはないということを知らせるのには役立つだろう。

■離脱延期

 合意なき離脱が否決された場合、翌14日に離脱期限の延長に関する採決が実施される。この結果次第では、メイ氏はEUと離脱延期の交渉をするよう求められる可能性がある。

 メイ氏は6月末まで期限を延長する可能性を語っているが、英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)の報道によると、一部の議員はさらに長期の9か月から21か月の延長を考えているという。

 欧州委員会(European Commission)のジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)委員長は11日、ブレグジットは5月23日から26日の欧州議会選挙までには完了していなければならないと、ツイッター(Twitter)に投稿している。

 期限延長については、EUに最終決定権がある。