【3月15日 東方新報】中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)の易綱(Yi Gang)総裁は10日、「中国は為替を競争目的に使ったり、貿易摩擦の道具に使ったりすることはない。中国の金融市場の開放は改革開放のタイムスケジュールに従って推進される」と表明した。中国国際放送局(CRI)が報じた。

 全国人民代表大会年次総会に提出した「政府活動報告」によると、中国は今年、穏健な通貨政策を実施するとしている。前年と比べると、通貨政策に関する表現について「中立性を保つ」といった内容が削除されている。第13期全国人民代表大会第2回会議の記者会見に臨んだ易総裁は10日、「安定した通貨政策は景気変動抑制的な政策手段を体現する必要があると同時に、総量では引き締めと緩和の度合いを適度なものにしていく必要がある」と表明した。

 関心が集まる人民元の為替問題に対しては、「人民元の為替を合理的かつ均衡のとれたレベルへの安定成長に向けた中国の努力と成果は、全世界から広く認められている」と述べた。中国の為替形成メカニズムは、市場供給を土台にした包括的な管理フロート制だ。その上で易総裁は「人民元の為替には弾力性がなければならない。ただし、それを競争目的に使うことは絶対にない」と強調した。(c)東方新報/AFPBB News