【3月6日 AFP】フランス北西部の刑務所で5日、「過激思想に傾倒」した受刑者の男が刃物で看守2人を襲い重傷を負わせた後、面会人の女性と共に面会エリアに立てこもる事件があった。情報筋がAFPに語ったところによると、男は突入した警官隊により撃たれ負傷し、面会人は死亡した。

 事件が発生したのはノルマンディー(Normandy)地方コンデシュルサルト(Conde-sur-Sarthe)にある、近代的で厳重な警備体制が敷かれた刑務所。クリストフ・カスタネール(Christophe Castaner)内相のツイッター(Twitter)投稿によると、マイケル・キオロ(Michael Chiolo)受刑者(27)は面会に訪れていたパートナーの女性と共に面会エリアに立てこもった後、突入した警察により身柄を拘束された。

 精鋭警察部隊による突入作戦は、キオロ受刑者が看守2人をセラミック製の刃物で負傷させた約10時間後に行われた。関係筋によれば、同受刑者とパートナーの女性は銃撃を受け負傷し、女性は後に死亡した。

 ニコル・ベルべ(Nicole Belloubet)法相は記者団に対し「この襲撃にテロの性質があることは疑いの余地がない」と説明。さらにその後、キオロ受刑者が使用した刃物はパートナーの女性が刑務所に持ち込んだ可能性があると示唆した。

 禁錮30年の刑に服していたキオロ受刑者は、収監中にイスラム教の「過激思想に傾倒」したとみられている。刑務所職員がAFPに語ったところによると、同受刑者は面会エリアで看守らを襲った際、「アラーアクバル(神は偉大なりの意)」と叫んでいた。(c)AFP/Chloé COUPEAU