【3月4日 AFP】FCバルセロナ(FC Barcelona)がレアル・マドリード(Real Madrid)を下した2日の伝統の一戦「エル・クラシコ(El Clasico)」について、かつてレアルを指揮したジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)氏が古巣の闘争心の欠如と士気の低さを指摘した。

 レアルは先月27日に行われたスペイン国王杯(Copa del Rey 2018-19)準決勝でバルセロナに0-3で敗れると、2日のリーグ戦での対戦でもイバン・ラキティッチ(Ivan Rakitic)に巧みなループシュートから決勝点を許して0-1の敗戦を喫し、リーグ優勝は現実的に難しくなった。

 クラシコ2連敗、しかも本拠地サンチャゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabeu Stadium)でバルセロナに連敗したこともクラブにとっては屈辱的で、サンティアゴ・ソラーリ(Santiago Solari)監督にかかる重圧はさらに増している。

 その中で、以前からソラーリ監督の後任候補の一人として名前が挙がっているモウリーニョ氏は、解説を務めるbeINスポーツ(beIN Sports)で「ハッピーなパフォーマンスではなかったと思う。ハッピーなチーム、つまり大きな自信とプライドを持ったチームのパフォーマンスではなかった」と試合を振り返った。

「いくつか悪い結果が続き、特にカップ戦がああいう試合だったこともあって、明らかに気落ちした状態にある。私はよくビッグマッチの熱と呼ぶが、それを試合にもたらすことができなかった。消極的だった」

「パフォーマンスの悪さについて話すことはできない。あれは単に、やわなパフォーマンスだった。中堅のチームとの対戦でそういうプレーになってしまうことはときどきあって、それでも相手がそこそこのレベルなら勝つこともできるが、トップレベルのチームに勝ちたいならもっとやらなくてはいけない」

 レアルのラモン・カルデロン(Ramon Calderon)元会長は、夏にモウリーニョ氏が再びレアルに招へいされると話しているが、本人は「自らが情熱を注いだレアルというクラブについて、彼がおおよその情報を持っているのは確かだろう。私よりも情報通のようだ。何しろこちらは、その件についてまったく何も知らないんだからね」と話している。

 また、スペイン・プロサッカーリーグ機構(LFP)のハビエル・テバス(Javier Tebas)会長が、モウリーニョ氏やジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)氏がスペインリーグを去ったことを残念がっているという話については、「とても光栄だ」と答えた。

 ソラーリ監督の立場が非常に危うくなっていることを考えれば、モウリーニョ氏のコメントがタイミングを踏まえたものだと感じる人は多いだろう。ソラーリ監督が就任した昨年11月に7ポイントだったバルセロナとの差は12に広がり、さらに本拠地3連敗は15年ぶりのこととなった。

 チーム主将のセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)も「サッカーはどれだけ冷静になれるかが大事なスポーツで、その部分で彼らの方がはるかに上だった」「バルサが安定しているのは事実だし、彼らがこうしてまた差が広がったことで、リーグ優勝へ大きく前進した」と認めている。

 レアルのシーズンとおそらくソラーリ監督の将来は、今季も欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)の結果にかかってくるとみられる。アヤックス(Ajax)との決勝トーナメント1回戦第1戦を2-1で制しているチームは、5日にホームでの第2戦に臨む。

 ラモスは「コンディションとリズムを維持するためにもリーグ戦は必要だし、これからもしっかり取り組んで勝ち続ける必要がある」「5日にはチャンピオンズリーグのまた別の決勝戦がある。そこへ向けて頑張りたい。リーグ戦では差を詰めていきたい」と話した。(c)AFP