この「不動産を買って半分返金」事件の全体像を見ると、同基金会には何重もの違法行為が存在する。中旭公益基金会と開発業者の契約は、公益慈善の名目で取り交わされていたが、実質的に不動産販売に深く関与しており、明らかに関連法の規定に違反している。それだけでなく、中旭公益基金会は、受領した金を契約で定めたとおり不動産購入者に返金せずに約400万元(約6540万円)を関連会社に移転させ、同会の銀行口座には341.4元(約5580円)しか残っていなかったという。

 これらの違法行為に対しては、法律に処罰規定がある。「慈善法」には、慈善組織が、慈善財産の私的分割や他目的への流用、占有などをした場合、「民政部門が期限付きの改善要求命令を出し、期限を越えて改善が認められないものについては登録抹消し世間に公示する」と定められている。「基金会管理条例」には「定款の規定や公益活動の業務範囲によらず活動を行った場合、登録管理機構は警告、活動停止命令を下し、重大な事案については登記抹消できるものとする」としている。

 公益・慈善団体は、犯罪の道具ではない。「家を買って半分を返金」のような違法な混乱現象に対し、調査と処分を行うと同時に、慈善団体の管理監督を強化し、慈善事業が他の目的に資金を流用し変節してしまわないように、公衆の権利を守らねばならない。(c)東方新報/AFPBB News