【2月9日 東方新報】つえ1本、掛け布団1枚、1000円の電気ポット1台。たいていの人にとっては何でもないような小さな物でも、高齢者にとっては贅沢に感じるかもしれない。QRコードをスキャンすれば高齢者の願いをかなえてあげることができるとしたら、あなたは参加するだろうか?

 北京市朝陽門(Chaoyangmen)地区の福祉施設や銀行、書店など約80施設の店頭には、オレンジ色の小さなプレートが掲げられている。「介護福祉サービス連合体」の加盟店であることを意味するものだ。加盟店になると、高齢者に対して6種のサービスを提供することが義務付けられている。

 福祉ボランティアの侯剣楠(Hou Jiannan)さんによると、「従来型の高齢者サービスに加え、加盟店と高齢者を1対1でひも付けすることが今の課題」と語る。「これまでは、高齢者を一か所に集め、自分で手を動かして工作などをするのが定番だったがいまひとつ。どうしたらもっと喜んでもらえるか、みなで知恵を出し合った」

「人はプレゼントを受けるとうれしくなるものだが、高齢者にはプレゼントが配達されることはまずない。高齢者の方々の欲しいものを聞いて、宅配便の格好をして『幸せの宅急便』と書いてプレゼントしたら喜ばれるのではという提案があり、みな賛成した」

 福祉施設職員とボランティアらは、まず、各戸を訪問し高齢者の希望を聞き取りした。聞き取った内容をQRコードにまとめて加盟店で張り出す。スマホでQRコードをスキャンすれば、高齢者の生活の状況や希望を知ることができ、さらに、ワンクリックすれば、願いをかなえてあげられるようにと、活動が始まった。