【8月23日 AFP】人間のように、コンゴウインコも顔を赤らめると聞いたことがあるだろうか?

 その仕組みはまだ解明されていない。だがこの度、フランスの研究チームが5匹の飼育されているルリコンゴウインコ(学名:Ara ararauna)を観察し、インコが顔を赤らめる様子を調べた。結果は22日、米科学誌「プロスワン(PLOS One)」に掲載された。

 ルリコンゴウインコは、頬の一部に羽が生えていない。研究者たちは、ルリコンゴウインコが飼育員と触れ合っている時に、この羽が生えていない皮膚の部分が赤くなることに気付いた。

 フランス国立農学研究所(INRA)のアリーヌ・ベルタン(Aline Bertin)主任研究員は、「鳥の顔には筋肉がない」「その表情に関する研究はこれまでなされてこなかった」と、AFPの取材に対し説明した。

 コンゴウインコを飼ったことがある人は、コンゴウインコの頬に血が巡り、人間のように顔が赤くなるのを見たことがあるかもしれない。だが、その仕組みについてはこれまで立証されてこなかった。

 研究チームは、いつも接している人間が、木に止まっているインコを見たり、話しかけたりしたときのインコの様子を映像と写真に記録した。この結果、そのような人間と接していると、インコの目の周りが赤くなったことが分かった。

 今回の実験は、わずか5羽を対象とした小規模なもので、科学者らがインコの顔が赤くなる理由を特定したとは言えない。ベルタン氏は、「インコが肯定的な感情を持っているのかどうかは分からない」と話す。だが、「鳥の感受性についての理解を深める」ためのさらなる研究への道筋をつけたといえる。

 鳥の感情やストレスに関しては、求愛行動や争いの最中に毛を逆立てることが科学者の間で知られている。

「人々は、鳥がサル、犬、猫と同じくらい複雑な感情を持っているとは通常考えない」と、ベルタン氏は語る。

「ペットショップでオウムがおりに入れられていても誰もショックを受けない。だが、霊長類がおりに入って売られていることはあまりない。ここに隔たりがある」 (c)AFP