【7月19日 CNS】中国で学校を卒業する若者にとって、部屋を借りることは、仕事を探すこと同様に重要なことだ。卒業シーズンになると需要が増え、家賃も上昇し続ける。

 賃貸物件を所有する大家の張雲さんによると、部屋の賃貸情報をインターネットに掲載したところ、意外にもわずか1日で、順調に部屋を貸すことができた。

 張さんは、「1日に約10件の電話を受けた。仲介業者を除き、約4人が客だった。その日の晩、二組の客が部屋を見にきた。二組ともその場で敷金を支払うと言っていた。そのうちの一組に部屋を貸すことを決めたよ」と話した。

 この部屋の家賃は月額4300元(約7万2000円)だ。同じタイプの部屋でも、昨年は3600元(約6万円)だった。

 北京の賃料はずっと上昇し続けている。ある地域では、前年同期と比べた上昇幅は20%に上る。

 北京西城区にある90年代に建てられた物件は、40平方メートルの部屋で、部屋の内装は傷んでおり、備え付けの家具も古い。家賃は月額5500元(約9万2000円)だ。近くの不動産仲介会社によると、そのような状態でも1週間以内に部屋を借りる人が決まったとのこと。去年、同じタイプの部屋の家賃は月4500元(約7万5000円)だった。

■家賃が1か月で2%超も上昇

 北京で賃貸物件を扱っている北京鏈家房地産経紀(Beijing Lianjia)の賃貸物件の1平方メートル当たりの月額賃料は5月は86.9元(約1460円)だった。前月と比べ2.4%上昇した。さらに、6月になると賃貸物件の1平方メートルの月額賃料は前月比で3%上昇し、89.5元(約1500円)となった。

 40平方メートルの部屋の月額の家賃は3600元前後(約6万円)だ。2LDKで80平方メートルの場合の月額家賃は7200元(約12万円)になる。場所と内装が良ければ、家賃はもっと高くなる。

 家賃の上昇以外にも、違法と疑われる不動産仲介会社が様々な手を使って賃料を上げ、借主の負担を増やしている。

 張さんが賃貸情報をインターネットに掲載した後、電話をかけてきてすぐに購入したいと話す仲介業者もいた。すでに同地区で20件の賃貸物件を大量購入し、賃貸物件にするそうだ。

 小規模な不動産仲介会社は賃貸代理業務を行うことで、一物件につき毎年1万元(約17万円)の家賃の差額を稼ぐことができる。さらに、物品の破損を理由に保証金を差し引くなど、さまざまな名目で料金を請求する。

 賃貸物件を大量購入し、長期間にわたり貸し出すやり方は、一般化している。賃料の差額以外にも、高付加価値の長期賃貸物件を貸し出すなど転換を図っている。それに伴い、業界の競争も激しくなっている。

 自社のブランドを意識し、賃貸マンションの発展を長期的に追求する業者が、違法な名目で保証金を差し引くような状況は少なくなった。

 しかし一方では、違法な不動産仲介業者が不法な手段で借り主の利益を損ねている状況もまだ存在しているのも事実だ。(c)CNS/JCM/AFPBB News