【6月25日 AFP】24日に行われたサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)、グループHのポーランド戦で3-0の快勝を収めたコロンビアのホセ・ペケルマン(Jose Pekerman)監督が、日本とのチーム初戦で退場したカルロス・サンチェス(Carlos Sanchez)にこの日の勝利をささげると話した。

 1-2で敗れた日本戦で開始早々の3分に退場したサンチェスには、殺害予告が届いているとの報道が出ており、本人も立ち直るのに「非常に苦しんでいる」というが、ペケルマン監督は、チームを代表して32歳のMFにポーランド戦の勝利をささげると語った。

 コロンビアはこの日、貴重な勝利を収めてポーランドをグループリーグ敗退へ追い込むとともに、自分たちはグループ突破をかけた争いに復帰した。サンチェスは出場停止のためカザニ・アリーナ(Kazan Arena)では出番がなかったが、28日に行われるグループ最終節のセネガルとの大一番では再び出場可能となる。

 ペケルマン監督は「この勝利をカルロス・サンチェスにささげる。彼はこの数日、非常に苦しい時間を過ごしている。私、そして私たちは、彼と一緒にこの勝利を分かち合いたい。これは個人的な思いであるが、同時にチームの中で感じたことでもある」とコメントした。

 また監督は、死の脅迫について明言はしなかったものの、それに近いことは言っている。コロンビアでは、1994年のW杯米国大会で敗退の要因となるオウンゴールを与えたアンドレス・エスコバル(Andres Escobar)選手が、帰国後に殺されるという恐ろしい事件が起こっているが、今回はそれを思い起こさせる状況になっている。

 ペケルマン監督は「一定の情報は受け取っているが、私は何も明言できない。サンチェスはあの出来事に深く傷ついている。あれはサッカーを超えたものだ。全力を尽くして懸命に戦った試合ではあったが、こういうことは軽々しく扱うべきではない。報道が事実かそうでないかにかかわらず、極めて痛ましい出来事だ」と話した。(c)AFP/Justin DAVIS