【6月1日 AFP】米国は31日、欧州連合(EU)、カナダ、メキシコからの鉄鋼・アルミニウム輸入に高い関税を適用することを発表した。6月1日午前0時(日本時間午後1時)に発効する。同盟国や貿易相手国は怒りを示し、報復措置を取ることを相次ぎ表明している。

 3者への鉄鋼・アルミ関税適用は、ウィルバー・ロス(Wilbur Ross)米商務長官が発表したもので、カナダで31日開幕する先進7か国(G7)財務相・中央銀行総裁会議にも長い影を落とす措置。

 この関税は3月に発動されたが、EU、カナダ、メキシコは適用を除外されてきた。

 ロス長官は、EUとの協議は米政府が適用除外の継続を決めるだけの合意に至らなかったと説明。カナダとメキシコについては、北米自由貿易協定(NAFTA)の改定交渉が「われわれの望みより長く」かかっており、妥結の「具体的な日程」が定まっていないために、関税の適用除外を撤回すると述べた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領も大統領布告で、1日から鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の輸入関税が課されることを確認している。

 メキシコ経済省は直ちに報復措置を発表。米国の関税による「影響の水準に見合う規模まで」、鉄鋼、照明器具、リンゴといった米国からの輸入品に同等の関税を課すと表明した。

 EUも31日、「数時間以内」に同様の措置を取ると言明した。EUはかねて米国に対し、バーボンウイスキー、オートバイ、ジーンズを含む製品に報復関税を課すと警告している。

 カナダも同日、米国からの輸入品に最大166億カナダ・ドル(約1兆3900億円)規模の報復関税を課すと発表した。(c)AFP/Heather SCOTT, with Jurgen Hecker in Paris