【3月11日 AFP】シリア政府軍は10日、首都ダマスカス近郊にある反体制派支配地域、東グータ(Eastern Ghouta)地区を3つに分断し、最大の町を孤立させた。政府側の20日にわたる攻勢による民間人の死者は1000人を超えた。

 政府軍および政府側民兵組織は2月18日、東グータに対する軍事作戦を開始。国際的な停戦の呼び掛けを無視し、これまでに同地の半分以上を制圧した。

 反体制派支配地域を徐々に侵食する「分断制圧」戦略を取った政府側は10日、東グータ最大の町ドゥマ(Douma)を孤立させることに成功。包囲されている反体制派には痛手となった。

 在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は、政府側はドゥマとその西に位置する町ハラスタ(Harasta)を結ぶ道路を遮断したほか、ミスラバ(Misraba)の町も占拠したと明らかにし、「政府軍は東グータをドゥマとその周辺、その西のハラスタ、南にある残りの複数の町に3分割したことになる」と述べた。

 シリア人権監視団によると、10日はドゥマで政府軍による砲撃と空爆により子ども4人を含む少なくとも20人の民間人が死亡し、別の複数の町でも民間人17人が死亡した。これにより政府軍が東グータへの攻撃を開始してからの民間人の死亡者は子ども219人を含む1031人、負傷者は4350人以上になったという。(c)AFP/Hasan Mohammed