ベネズエラ出身のパイレーツ捕手、母親が母国で誘拐される 地元紙報道
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【2月10日 AFP】米大リーグ(MLB)のピッツバーグ・パイレーツ(Pittsburgh Pirates)でプレーするエリアス・ディアス(Elias Diaz)捕手の母親が、母国ベネズエラで誘拐された。地元紙が9日、同選手の話として報じた。
地元紙パノラマ(Panorama)によると、ディアス選手の72歳の母親アナ・ソト(Ana Soto)さんは8日、同国北西部マラカイボ(Maracaibo)の自宅近所で隣人と話をしていた際、武装集団に拉致されて近くに駐車していたワゴン車の中に引きずり込まれたとされている。同選手は現在、労働者階級が多い同地の家族の元に帰省しているが、事件発生時には母親宅にいなかった。
記事ではまた、ディアス選手が「家族が狙われて本当につらい。犯人には、とにかく母親に危害を加えずに生きて返してほしい」とコメントしたと伝えているが、犯人からの接触はまだないという。
深刻な経済危機に直面しているベネズエラでは、高給取りであるMLBプレーヤーが犯罪のターゲットにされており、同リーグの各チームは同国出身の選手に対して、母国に帰省する際には警戒するように注意を促している。
NGOのベネズエラ暴力行為監視団(Venezuelan Observatory of Violence、OVV)によると、同国は極めて治安が悪化しており、殺人発生率は世界平均の14倍にも達しているとされている。
ベネズエラでは昨年、ミルウォーキー・ブリュワーズ(Milwaukee Brewers)傘下のマイナーリーグでプレーするハビアー・ベタンコート(Javier Betancourt)選手が、同国カラカス(Caracas)で腕を銃撃される事件が発生した。
現在タンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)に所属するウィルソン・ラモス(Wilson Ramos)捕手も、ワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)時代の2011年に誘拐され、ベネズエラのスポーツ界が激震に見舞われた。同選手は無事に解放され、誘拐犯には禁錮20年の刑が言い渡された。(c)AFP