【1月27日 AFP】ロシアの男子ショートトラックでスター選手として知られるビクトル・アン(Viktor Ahn)は26日、これまで運動能力向上薬を使用したことは一度もないと主張し、国際オリンピック委員会(IOC)に対して来月開催される平昌冬季五輪から除外された理由の説明を要求した。

 五輪で通算6個の金メダルを獲得した実力者で、韓国で生まれながらも2011年にロシアへ国籍を変更したアンは、同国のドーピングスキャンダルの余波を受け、他の選手とともに平昌五輪への参加を禁じられた。

 ロシアが国家ぐるみのドーピングで平昌五輪への選手団派遣を禁止され、生まれ故郷の韓国で行われる冬季五輪に中立旗の下で出場できることを期待していた32歳のアンは、IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長に宛てた公開書簡で、自分は反ドーピング規則を徹底順守していたと主張し、出場を禁止された理由の説明を求めた。

 ロシアメディアが26日に公開した書簡の中でアンは、「私が五輪から排除されたことについて、確固たる理由の説明がないことに憤りを感じている。IOCには私を除外した理由を最終的には明確にしてもらいたい。そうすれば、私は自分の名誉や尊厳を弁護することができる」と述べた。

「スポーツ界におけるここ数年間の流れから、私の五輪出場を禁止するという判断は、IOC側が私に疑念を抱いていることの表れであり、スポーツ界全体からも疑惑の目が向けられる根拠となっている」

 ソウル出身で安賢洙(Ahn Hyun-Soo、アン・ヒョンス)という韓国名を持つアンは、同国代表として出場した2006年のトリノ冬季五輪で3個の金メダルを獲得し、2014年のソチ冬季五輪でも3つの金を手にするなど、世界で最も成功したショートトラックの選手として知られている。

「ショートトラックでのキャリアを通じて、私は自分の誠実性や高潔性が疑われるようなことは一度もしていない。何よりもこれまで成し遂げてきた勝利は、自分の強さと努力以外の何物でもない」 (c)AFP