【12月1日 AFP】マレーシア政府は30日、スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)でプレーするルイス・スアレス(Luis Suarez)を観光大使に任命したことについて、野党議員から相手チームの選手にかみついたことで悪名高い選手と契約したとの批判を受けたが、同選手の人気の高さで観光客の増加が期待できると反論した。

 マレーシア観光局は11月上旬、世界屈指のサッカー選手であるスアレスの宣伝効果を見込んで1年間の契約を結んだ。しかし、ウルグアイ出身の同選手は相手チームの選手に歯を立てるなど何度も物議を醸しており、2014年W杯ブラジル大会(2014 World Cup)のイタリア戦では、ジョルジョ・キエッリーニ(Giorgio Chiellini)にかみついて4か月間サッカー活動を禁止されたほか、2010年と2013年にも同様のケースで処分を科された。

 この日の国会で野党・人民正義党(PKR)の議員は、ナズリ・アジズ(Nazri Aziz)観光・文化相に、なぜ問題児として知られるスアレスと契約を結んだのか問いただした。同議員はAFPの取材に対し、マレーシアの宣伝のために外国人選手を起用することには何の問題もないが、スアレスは正しい選択肢ではなかったとして、「もっと適切な候補者は大勢いる」と主張した。

 しかし、ナズリ観光文化相は、スアレスにはソーシャルメディアで大勢のフォロワーがおり、マレーシアに外国人観光客を呼び込めるとして今回の決断を擁護し、「彼がそれほどの悪党ならば、インスタグラム(Instagram)で2530万人ものフォロワーがいるはずない。彼が悪党ならば、人々は彼をフォローするものか」と述べた。

 マレーシアは現在、特に中国をはじめとした外国人観光客の増加を目指している。ヤシの木が連なるビーチやジャングルで有名な同国には、昨年2700万人の観光客が訪れている。(c)AFP