■「落とし穴」を理解する

 SRMに潜むこうした「落とし穴」への理解を深めるために、英気象庁ハドリー・センター(Hadley Centre)のアンソニー・ジョーンズ(Anthony Jones)氏率いる研究チームは、海洋と大気で発生することが予想される変化を最先端の気候モデルを用いて調べた。

 その結果、北半球にエアロゾルを放出すると北半球の熱帯低気圧の発生頻度が下がり、逆に南半球にエアロゾルを放出するとそれとは反対の影響が現れることが分かった。

 さらに、サヘル地域に「壊滅的な影響が及ぶ可能性がある」ことを、モデルは示していた。

 この結果を受けて研究チームは、大規模な太陽光地球工学の仕組みの展開を監視するための国際規制を迅速に実施する必要があると訴えている。(c)AFP/Marlowe HOOD