【11月9日 AFP】2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)出場をかけた戦いが大詰めを迎える。夢をつかむチャンスを手にしている国がある一方、常連組のイタリアにとっては悪夢の数日間になる可能性がある。

 ロシア行きの最後の9枚の切符をかけた戦いは、9日からの7日間で結末を迎える。

 欧州では4枚の切符が争われ、予選9グループで成績上位の8チームがホームとアウェーでしのぎを削ることになる。

 アフリカでは3か国が最終節で本大会出場を決めることになるが、10日には再試合となったセネガル対南アフリカの一戦が行われる。

 大陸間プレーオフではニュージーランドがペルーと、オーストラリアがホンジュラスと戦う。

■イタリアがいないW杯の可能性も

 欧州ではイタリア、ギリシャ、スイス、アイルランドがシードとなり、第2戦をホームで戦うこととなる。

 イタリアはグループリーグでスペイン、マケドニアと本拠地で引き分けているため、スウェーデンとの対戦ではホームアドバンテージが生かされないかもしれない。

 プレーオフではイタリアの誇るべき記録が途絶える可能性がある。欧州ではドイツと並び最多の18回W杯に出場しているイタリアだが、ドイツはすでに19度目の本大会出場を決めている。

 また、イタリアはW杯優勝を経験している8か国で唯一本大会出場が確定していない。スウェーデンは欧州プレーオフ出場国では最多となる予選10試合で26得点を決めており、イタリアのディフェンス陣には細心の注意が求められている。

 予選を突破した他の5か国よりも多い勝ち点27を獲得したスイスだが、グループリーグではクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)擁するポルトガルに得失点差で及ばなかった。

 ギリシャとクロアチアは共にプレーオフを得意としている。ギリシャが突破を決めた場合、欧州では初めて3大会連続でプレーオフからの本大会出場となる。また、クロアチアはW杯と欧州選手権(UEFA Euro)のプレーオフに4度出場してすべて勝ち上がっている。

 クロアチアにはルカ・モドリッチ(Luka Modric)、イバン・ラキティッチ(Ivan Rakitic)、マリオ・マンジュキッチ(Mario Mandzukic)、イバン・ペリシッチ(Ivan Perisic)らビッグネームがそろうが、両国はファンのアウェー渡航を禁止することで合意しており、第2戦をホームで戦うギリシャにはより大きなアドバンテージとなる。

 デンマークと対戦するアイルランドは、これまでプレーオフで数々の遺恨を残している。欧州最多となる8度目のプレーオフに臨むアイルランドは、これまで3度の突破、4度の敗退を経験している。2009年のプレーオフでは、当時のフランス代表ティエリ・アンリ(Thierry Henry)氏のハンドによりロスタイムに失点し、敗退の憂き目にあっている。

■土壇場のモロッコ

 アフリカではナイジェリアとエジプトがすでに本大会出場を決めているが、残り3か国は最終節で決定する。

 グループAはチュニジアの予選突破が濃厚だ。チュニジアは2位のコンゴに勝ち点3差をつけており、最終節ではホームで最下位リビアと対戦する。仮にコンゴに敗れた場合でも、コンゴがホームのキンシャサでギニアに1点差でしか勝てなかった場合はチュニジアの本大会出場となる。

 グループCはモロッコとコートジボワールの直接対決となる。コートジボワールはホームのアビジャン(Abidjan)で戦うことができるが、勝ち点1上回るモロッコは引き分けでもW杯の切符を手にすることができる。

 グループD首位に立つセネガルは、南アフリカとの2試合で2ポイントを獲得すればW杯出場となる。セネガルは昨年11月の試合で南アフリカに敗れたが、この一戦は不正な操作があったとして無効試合となった。この試合で不適切なPKを指示したジョセフ・オダルティ・ランプティ(Joseph Odartei Lamptey)主審は、国際サッカー連盟(FIFA)から永久追放処分が下された。

 大陸間プレーオフでは2枚の切符をかけて4チームが戦う。アジア予選のプレーオフでシリアに競り勝ったオーストラリアは、米国を上回り北中米カリブ海予選で4位となったホンジュラスと対戦する。第1戦はホンジュラスのサンペドロスラ(San Pedro Sula)で開催され、第2戦は1万4000キロ離れたシドニーで行われる。

 オセアニア予選首位のニュージーランドは、南米予選5位のペルーと戦う。第1戦はニュージーランドのウェリントンで、第2戦は8日にペルーのリマで行われる。(c)AFP/Peter BERLIN