【6月7日 AFP】ロシア連邦保安局(FSB)は6日、憎悪の扇動や違法な起業、過激派グループの組織化に対する捜査の一環として、米国に本部を置くサイエントロジー教会(Church of Scientology)のサンクトペテルブルク(St. Petersburg)支部に対する強制捜査を行った。

 ロシアでは4月にも最高裁判所がキリスト教団体「エホバの証人(Jehovah's Witnesses)」の活動を禁止し、資産を没収するとの判決を下し、法務省も同団体を「過激派組織」と批判していた。

 FSBの報道官が国営ニュース専門テレビ局のロシア24(Rossiya 24)に語ったところによると、FSBはサイエントロジー教会の建物だけでなく信者の自宅への捜索も行った。

 FSBがロシアの通信社に向け発表した声明によると、今回の捜査は当初、サイエントロジー教会の布教用教材の売り上げをめぐって開始されたという。

 サイエントロジー教会は1994年、初めてロシアで登記されたが、近年は当局が司法の場で追及する姿勢を見せていた。

 ロシア最高裁は2016年、法務省の訴えによりサイエントロジー教会のモスクワ(Moscow)支部の閉鎖を命じた。同省はサイエントロジー教会の出版物の多くが過激主義的と判断し、同団体を「セクト」と呼んでいる。

 サイエントロジー教会は1954年にSF作家、L.ロン・ハバート(L. Ron Hubbard)によって米国で創設され、1993年に同国で宗教団体として認められた。(c)AFP