■「深部地下生物圏」の謎

 今回の最新研究でその存在が明らかになった生物は、陸と海の下にある「深部地下生物圏」と呼ばれる生息域に存在していた。

 論文の主執筆者でスウェーデン自然史博物館(Swedish Museum of Natural History)の純古生物学者ステファン・ベンクソン(Stefan Bengtson)氏は「地球のバイオマスの相当部分は深部地下生物圏に存在するが、深部地下生物圏についてはほとんど分かっていない。その歴史となればなおさらだ」と語った。

 過去の研究では、5000万年前にさかのぼる海底下の溶岩にみられる気泡が菌類に生息環境を提供していた証拠が明らかになっていた。

 このような生息環境では、菌類は微生物と共生関係を構築し、化学的に蓄積されたエネルギーを代謝に利用していた可能性が最も高いと、論文の共同執筆者で、深部地下生物圏の専門家のマグヌス・イーバソン(Magnus Ivarsson)氏は指摘している。

「菌類は、遊離酸素すら必要としなかった可能性がある」(c)AFP/Marlowe HOOD