■「生命だ」と絶叫

「一連の石化した気泡痕に興味を引かれたので顕微鏡の倍率を上げたところ、私は非常に驚いた」と、ラスムセン教授は述べた。

 ラスムセン教授は電子メールで、その気泡痕は「数百の極めて保存状態の良いフィラメントで満たされており、それらが『生命だ』と絶叫していた」と発見当時の状況を説明した。

 周囲の溶岩の年代がこれまで考えられていた22億年前ではなく24億年前であることにラスムセン教授が気付いたことで、さらに謎が深まる展開になっていった。

 2億年の差は重要な意味を持つ。これにより「大酸化イベント(GOE)」と呼ばれる地球の地史における重要な境界をまたぐことになるからだ。GOEでは、大量の酸素が大気中に急速に放出された。

 新しい年代測定結果は、この菌類に似た生物が生息していた暗い穴の中の世界には、光だけでなく酸素もなかったことを意味している。

「このことは、真核生物と菌類の初期の祖先の生息様式に対して非常に重要な意味を持つと考えられる」と、ラスムセン教授は付け加えた。