【4月3日 AFP】サッカー元ドイツ代表GKで、最近はレスリング選手としてのキャリアを切り開いていたティム・ヴィーゼ(Tim Wiese)が1日、1日限りの出場を果たした同国8部リーグの試合後、自身は今でもブンデスリーガでプレーできるとの考えを示した。

 かつてはヴェルダー・ブレーメン(Werder Bremen)やホッフェンハイム(1899 Hoffenheim)に在籍し、ブンデスリーガで最後に出場してから4年が経過していたヴィーゼは同日、キーパー不足に陥っているSSVディリンゲン(SSV Dillingen)の一員としてハインスハイム(Haunsheim)とのダービーに出場。チームは惜しくも1-2で敗れた。

 2014年9月にサッカー界から退いていた35歳は、193センチの巨体に筋肉をつくり上げ、昨年11月には「ザ・マシーン」とのニックネームで米プロレスリング団体WWEデビューを果たしていたが、今回は自身の友人でディリンゲンの会長を務めるクリストフ・ノワク(Christoph Nowak)氏に力を貸す形で、再びスパイクにひもを通した。

 普段はホームゲームでも60人強の観客しか集まらないディリンゲンだが、この日は2010年W杯南アフリカ大会(2010 World Cup)大会でメンバーに選出されるなど、ドイツ代表として通算6試合に出場したヴィーゼを一目見ようと、約2000人のファンが駆け付けた。

 試合終了の笛が鳴り響いた後も、1時間以上にわたってファンからのサインの求めに応じていたヴィーゼは、ブンデスリーガ復帰の可能性も否定しなかった。

 ピンクのユニホームに身を包んだ自信満々のヴィーゼは試合後、「最初の練習で、『どうしてあんなに早く(プレーを)やめたんだろう?』と思った」と話した。

「復帰1試合目としてはまずまずだった。無理なんてことは言うべきでない。今でも楽にブンデスリーガでプレーできる」

 ハインスハイムのFWに2失点を喫し、不満げな様子でピッチから引き揚げたヴィーゼについて、ノワク氏も「彼は試合に勝ちたがっていたから、腹を立てていた。思ったようにいかなかったのは残念だ」とコメントした。

 ダイビングセーブを披露しただけでなく、主審と口論をしたり、相手選手とトラッシュトークを繰り広げたりするなど、一時的な復帰にも真剣に取り組んだヴィーゼはまた、「自分の中で炎が燃えている。でもきょうは、残念なことに油断していたところを突かれた」と負けを認めていた。(c)AFP