【2月9日 AFP】米ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領によるイスラム圏7か国からの入国を禁止する大統領令に抗議し、世界有数の芸能事務所が米アカデミー賞(Academy Awards)授賞式前の恒例のパーティーを中止することを明らかにした。メディアが8日、報じた。

 米ハリウッドのユナイテッド・タレント・エージェンシー(United Talent AgencyUTA)はこれまで、同社のジム・バーカス(Jim Berkus)会長が米ロサンゼルス(Los Angeles)に所有する豪邸で毎年、豪華なパーティーを開いていた。

 しかし今年は、26日に開催されるアカデミー賞授賞式の2日前に、ビバリーヒルズ(Beverly Hills)にある同社事務所で集会を開き、米国自由人権協会(ACLU)と米国を拠点とする難民支援団体「国際救援委員会(IRC)」に対して25万ドル(約2800万円)を寄付する予定だとした。

 米芸能情報紙ハリウッド・リポーター(Hollywood Reporter)によると、UTAのジェレミー・ジマー(Jeremy Zimmer)CEOは、従業員に向けた社内メールの中で、「今こそ、われわれの寛容さや認識、不安に訴える時だ」、「われわれの世界は、アーティストやアイデア、創造的表現を自由に交換するのにこの上ない場所だ。もしこの国が、世界中から集まったアーティストたちにとって自由に表現できる場所であることをやめてしまったら、それは、われわれがアメリカであることをやめてしまうことだ」と述べたという。

 UTAは「米国の反移民感情に対してエンターテインメント界で高まる危機感を表明したかった」と述べている。米娯楽誌バラエティ(Variety)が伝えた。(c)AFP