【1月6日 AFP】台湾南部・嘉義(Chiayi)で3日、地元政治家の葬列に黒いビキニ姿のポールダンサー50人が登場し、押し寄せた大勢の見物客で交通が大混乱する騒ぎとなった。

 葬列の「主」は、昨年12月に病気のため76歳で死去した董象(Tung Hsiang)氏。数十年にわたって嘉義県の政界で活躍した著名な政治家だ。

 董氏の葬列は、しめやかで厳かな雰囲気からはおよそほど遠いものだった。音楽隊が演奏しながら行進。色とりどりのジープの車列が延々と続き、その屋根の上でダンサーの女性たちが踊っている。映像には、車両200台が数キロにわたって連なる葬列の様子が捉えられている。

 台湾テレビCTSによると、沿道は葬列の写真を撮る見物客であふれ、ポールダンサー見たさにオートバイで葬列を追いかける人たちもいた。

 董氏は社交的でにぎやかなことが好きだったため、家族は葬儀を華やかで記憶に残るものにしたかったという。董氏の弟はCTSに「葬儀の2日前に夢に兄が現れて、こんな葬儀にしてほしいと頼んだ」と語っている。

 董氏のような葬儀は台湾の伝統流儀ではなくとも珍しくはない。伝統宗教と俗世観が融合する台湾では宗教儀式や葬儀にダンサーを雇うこともあり、時にはストリップショーが披露される葬式もある。(c)AFP