【12月13日 AFP】レアル・マドリード(Real Madrid)のジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督の長男であるエンツォ(Enzo Alan Zidane Fernandez)が、スペイン国王杯(Copa del Rey 2016-17)のクルトゥラル・レオネサ(Cultural Leonesa)戦でトップチームデビューを飾り、さらに初ゴールを記録するという理想的なスタートを切った。

 ジダン監督の4人の息子は、全員がレアルの下部組織に所属しているが、過去の有名な親子選手や監督にはどんな人物がいるのだろうか。AFPが5組をまとめた。

■父ヨハン・クライフと息子ジョルディ

 流れるような足さばきで知られ、史上最高の選手の一人とうたわれたヨハン・クライフ(Johan Cruyff)の後を継ぐ選手になる。これは常に、かわいそうなジョルディ(Jordi Cruyff)にとって過大な要求になっていた。父親と同じFWでプレーしたジョルディだが、残念ながら父と同じ輝かしいキャリアを築くことはできなかった。

 アヤックス(Ajax)の下部組織でサッカーを始めたジョルディは、その後FCバルセロナ(FC Barcelona)の有名なアカデミー「ラ・マシア(La Masia)」に入団。トップチーム昇格は果たしたものの、同クラブで選手、さらには監督を務めたヨハンの親の七光りという印象を払拭(ふっしょく)することはできず、短期間でクラブを後にした。

 その後、鳴り物入りで加入したマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)では、単なる名前だけの選手ではないところをわずかにのぞかせたが、度重なるけがに苦しめられ、その後はスペイン1部リーグの下位クラブを渡り歩いた。

 父親の名にとらわれないようにと、ユニホームの背に「クライフ」ではなく、かたくなに「ジョルディ」と入れ続けた彼は、42歳となった現在、イスラエルのマッカビ・テルアビブFC(Maccabi Tel-Aviv)でクラブスタッフを務めている。

■父チェザーレ・マルディーニと息子パオロ

 チェザーレ・マルディーニ(Cesare Maldini)とパオロ・マルディーニ(Paolo Maldini)の親子は、イタリア代表を、そしてACミラン(AC Milan)を代表するレジェンドとして、永遠にその名前を記憶される2人だろう。

 父親のチェザーレは、ミランで4回のセリエA優勝を達成すると、1963年にはヨーロッパチャンピオンズカップ(European Cup)を制覇。現役引退後は指導者に転身し、1996年から1998年にかけてはイタリア代表監督も務めた。

 息子のパオロも、才能あふれる優雅なDFとして、左SBとCBで活躍した。クラブレベルでは16歳でデビューしてその才能を証明すると、以降はミラン一筋で現役を終えるまで、数々のトロフィーに彩られた華々しいキャリアを打ち立てた。代表でも19歳のデビューから126試合に出場し、主将も務めた。