【7月7日 AFP】アルゼンチンのサッカー界は、リオネル・メッシ(Lionel Messi)の代表引退に次いで、リオデジャネイロ五輪を前にヘラルド・マルティーノ(Gerardo Martino)監督が退任を表明するなど危機に陥っている。

 元代表選手で指揮官を務めた経験もあるディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏は6日、アルゼンチンサッカー協会(AFA)の混乱状態解決に乗り出し、AFAの調査に訪れた国際サッカー連盟(FIFA)の調査委員のメンバーとの会合に出席した。

 しかし、マラドーナ氏は会合が調査委員によって早々に切り上げられたと怒りをあらわにした。

「会合は途中で切り上げられた。私は、サッカーについて、AFAの問題について話し合うためにやってきたのに!」

 マルティーノ監督は5日、辞任を表明する中でAFAの権力争いなどについて不満を述べていた。AFAは同日遅く、リオ五輪男子サッカー代表の監督にフリオ・オラルティコエチェア(Julio Olarticoechea)氏を任命している。

 同国のマウリシオ・マクリ(Mauricio Macri)大統領は、放映権に関する内紛が起きているAFAの汚職、そして管理能力の無さを痛烈に批判している。

 元ボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)の会長でもあるマクリ大統領は、ドイツ訪問中に記者団に対し、「アルゼンチンサッカーの組織力の弱さが原因で、良い待遇を受けることができなかったという理由もあるだろう。汚職や悪習にまみれたシステムを継続し続けるわけにはいかない」とコメントしている。

 裁判所は先月から、政府からの予算をここ数年どのように使用しているのかを見極めるため、AFAの口座を監査している。

 マラドーナ氏はAFAのマネジメントは「マフィア」のようだと語り、元AFA会長の故フリオ・グロンドーナ(Julio Grondona)氏を批判している。

「まだグロンドーナ・マフィアがいる。監査してほしい。クリーンで透明なAFAを求める」

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