【6月18日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)は17日、国家ぐるみのドーピング問題で資格停止中のロシア陸上競技連盟(ARAF)に対するリオデジャネイロ五輪出場禁止処分の延長を、全会一致で決定した。これを受け、同国の現役選手や元選手が、さまざまなコメントを残した。

■女子棒高跳び選手、エレーナ・イシンバエワ(Yelena Isinbayeva

 イシンバエワは国営タス通信(TASS)に対し、「人権の侵害です。黙り続けることはせず、手段を講じます。人権法廷に訴えます」とコメント。しかしながら、どの法廷に訴え出るかについては言明していない。

「結局出場できなくなったクリーンな選手、そして自分自身に困惑しています。誰も私たちを守ってくれず、誰も私たちの権利を擁護しませんでした。IAAFが掲げる、クリーンな選手を守る権利には大きな疑問が生じます」

「私たちは実際にやっていないことで非難されています。ロシア人に対する差別になると考えています」

■女子走り高跳び選手、アンナ・チチェロワ(Anna Chicherova

 AFPに対してチチェロワは、「コメントしづらいです。連盟はすべての問題について大がかりな仕事をしましたが、結局は足りませんでした。ドーピング問題にこれまで関与していない選手にとって、この方針は厳しすぎます。運命を変えるような決定が下されたことは残念です。あとは、国際オリンピック委員会(IOC)にすべての望みがかかっています」と語った。

■ロシア代表ヘッドコーチのユーリ・ボルザコフスキー(Yuri Borzakovsky)氏

 国営タス通信にボルザコフスキー氏は、「われわれはIAAFの判断に苦しめられている。決定がわれわれにとって前向きなものになることを希望していた。コーチや選手の立場からすれば、最後まで希望を持たなければならない。(出場を)許可されないとしても、これで人生が終わるわけではない。次のシーズンに向けて準備をしなければならない」と語った。

■元女子幅跳び選手で連邦議員のタチアナ・レベデワ(Tatyana Lebedeva)氏

 レベデワ氏は同国の通信社Rスポーツ(R-Sport)に対し、「個人責任と団体責任の二つは全くもって異なるものです。いずれにしても、IOCはIAAFよりも位が高い。ですので、最終的な決断は6月21日に(行われるIOCの会合で)下されるのではないかと考えています」と述べた。

■ロシアスポーツ省の声明

「一国の陸上競技選手が五輪の出場を禁止されるという前代未聞の状況を作り出した、ロシアの全陸上選手に対する出場禁止の処分延長というIAAFの判断に、深く落胆している」

「クリーンな選手たちの夢は、とがむべき振る舞いをした選手や役員によって台無しにされた。選手たちは五輪に出場するため長年にわたり人生をささげたが、それも無駄になってしまったようだ」

(c)AFP