【4月2日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で物議を醸している予選の新フォーマットについて、FOA(Formula One Administration)のバーニー・エクレストン(Bernie Ecclestone)会長が1日、投票でグリッドを決定するアイデアを披露するなど、独自の理論を展開した。

 F1で最高権力を持つエクレストン会長は、別の代替案として、予選で最速を記録したドライバーに数秒のタイムを科し、レースを予測不可能なものにすることも提案している。

 今週末に行われる第2戦バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2016)のパドックで報道陣の取材に応じたエクレストン会長は、開幕戦のオーストラリアGP(Australian Grand Prix 2016)で初めて導入された「ノックアウト方式」が失敗に終わったことについて失望を表明した。

「私もあの予選は気に入らないが、見守っていくしかないだろう。改革というものは、すべてが試作品であり、実行に移されるまでは分からないものだ」

「しかし、意見は出せる。あれは当初から私のアイデアではなかったし、どうなるか見守っていくだけだ」

 具体的な予選の代替案を聞かれたエクレストン会長は、「一つは投票だ。(チームは)気に入らないだろうし、洗練された方法ではないがね。もう一つは、現在の予選方式に手を加えず、タイムを科していく方法だ」と答えている。「ポールポジションを獲得したドライバーには、前レースや前年の結果をふまえ、予選タイムに2~3秒を科すことにする。そうすれば、ポールから10番手くらいまで順位を下げることになる」

 エクレストン会長はまた、2015年シーズンを制したメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が開幕戦オーストラリアGPの1周目で6位に落ちながらも2位フィニッシュしたことを好例に挙げ、自身のアイデアがレースを盛り上げる可能性を強調した。「ルイスの披露した走りがレースごとに起きる可能性がある。完走を果たすマシンが2~3台にならない限り、レースでは毎回そうなるだろう」

 失敗に終わった新フォーマットについては、オーストラリアGPの予選終了後に各チームとドライバーがこぞって不満を表明するなかで、エクレストン会長も批判を浴びせていた。

 しかし、F1の上層部は予選を以前の方式に戻さず、酷評された新フォーマットを一部修正して継続することに決定。エクレストン氏は、「新フォーマットが作られた理由は分かっている。強豪チームの一角が、Q1やQ2でノックアウトになることを期待されていたからだ」と語った。

「それが狙いだった。雨のコンディションでは、その可能性もあり得る」

 F1が物議を醸している新フォーマットを破棄できない理由について、エクレストン氏は特定のチームが自己の利益を追求しているためだとしている。

「あらゆる面でそこが問題だ。2チームが自己の利益を尊重している。全チームではない」

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