【3月22日 AFP】ロシア陸上競技連盟(ARAF)は21日、4選手がメルドニウム(Meldonium)摂取によるドーピング違反を犯したと発表した。今夏のリオデジャネイロ五輪までに出場資格を回復したいと考えているロシア陸上界にとっては、大きな痛手になった。

 メルドニウム陽性による違反発覚は、ロシア陸上界で初めて。ドーピングスキャンダルに頭を悩ますロシアの陸上界が、国際陸上競技連盟(IAAF)に科されている資格停止処分を覆すために奔走するさなかのニュースになった。

 ARAFは4選手の名前を明らかにせず、20日にメルドニウム使用を認めた短距離のナデジダ・コトリャロワ(Nadezhda Kotlyarova)が含まれているのかも、定かではなかった。

 しかし国営タス通信(TASS)は、匿名筋から得た情報として、コトリャロワの他に、障害走のオルガ・ヴォフク(Olga Vovk)と、長距離の2選手が違反を犯したと報じており、先月の室内選手権で採取された検体から、メルドニウムの陽性反応が出たという。

 ARAFは声明の中で、本件について現在「徹底的な調査」を行っていると明かし、メルドニウムが年明けから世界反ドーピング機関(WADA)の禁止表に入ったことを、選手やトレーナーに繰り返し伝えていたと強調している。

 心疾患や糖尿病の治療に用いられるメルドニウムだが、使い方によっては、アスリートの持久力や回復力を高める効果があるという。

 今年に入って、女子テニス選手のマリア・シャラポワ(Maria Sharapova)や、水泳選手のユリア・エフィモワ(Yuliya Efimova)、スケート選手のセミョン・エリストラトフ(Semion Elistratov)ら、ロシアの名だたるアスリートが、メルドニウム摂取の違反を犯している。

 ロシアのビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)スポーツ相は21日、メルドニウムスキャンダルが、リオ五輪への準備に影響することはないと発言している。

 ロシアは現在、国ぐるみのドーピングを行っていたとして、IAAFから資格停止処分を科されている。IAAFは、同国選手の国際大会復帰可否を、5月に判断するとしている。(c)AFP