【3月19日 AFP】女子テニスのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が使用を認めた薬物「メルドニウム(Meldonium)」の売れ行きが、ロシア国内で倍以上に膨らんでいることが18日、明らかになった。

 医療品の販売を調査するDSMグループ(DSM Group)によると、同国内の薬局が3月7日から13日にまで販売したメルドニウムは7万8300箱となり、売り上げが前週比で220パーセント増加したという。

 今月7日、シャラポワが全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)の薬物検査で、メルドニウムの陽性反応が出たと今月7日にシャラポワが発表したことで、注目を浴びている。

 シャラポワは、運動能力向上のためではなく健康上の理由でメルドニウムを摂取し、禁止薬物に指定されていたことを知らなかったと釈明した。

 旧ソ連時代の1970年代からラトビアで製造されているメルドニウムは、虚血(局所の貧血)の治療に使用される。血流を増加させることは、持久力の向上や運動後の回復を早める可能性がある。

 DSMグループの責任者は、「ドーピングスキャンダルは、メルドニウムの大きな広告促進となり、より多くの民衆に広まることになった。シャラポワがメルドニウムを使っているということは、本当に効果があるのだろうと皆さんが感じている」とコメントした。

 世界反ドーピング機関(WADA)は11日、今年1月にメルドニウムが禁止となって以降、これまでのドーピング検査で99例の陽性反応が確認されたと明かしている。(c)AFP