■ニュージーランドはマッコウが有終

 決勝トーナメントでは、ニュージーランドが改めて力を見せつけ、史上初めてW杯連覇を達成したチームになるとともに、その後引退を発表した主将マッコウに最高の花道を用意した。

 史上最高の選手の一人と評され、フランカーとしてチームをけん引したマッコウは、歴代最多となるテストマッチ148試合出場の記録を手に、スポットライトの下を去った。

 また、オールブラックスからは大会後、ダン・カーター(Dan Carter)、マーア・ノヌ(Ma'a Nonu)、コンラッド・スミス(Conrad Smith)の3選手がフランスへ移籍し、同国のリーグ「トップ14」に挑戦している。

 オーストラリアを34-17を破ったトゥイッケナム・スタジアム(Twickenham Stadium)での決勝について34歳のマッコウは、「最後の試合だったし、ピッチでの最後の時間は一生忘れられない思い出になる。そんな試合をこうやって終えられて、とても満足している」と話した。

 一方、マッコウの引退表明の直前には、元オールブラックスのウインガー、ジョナ・ロムー(Jonah Lomu)氏の突然の訃報が飛び込んできた。腎臓病に長年苦しめられ、現役を長く続けられなかったロムー氏は、心不全のため40歳でこの世を去っている。

 ワールドラグビーのベルナール・ラパセ(Bernard Lapasset)会長は、「ジョナーはラグビーの象徴だった」と話した。

「世界中のジョナのファンに代わって言葉を述べさせていただきたい。この素晴らしい男は、ラグビーの醍醐味(だいごみ)を世界に向けて発信した。ディフェンスを震え上がらせ、観客を沸かせ、かつてないほど走るラグビーを印象付けた」