【11月19日 AFP】ラグビーニュージーランド代表(オールブラックス)の主将として2度のW杯優勝を成し遂げたリッチー・マッコウ(Richie McCaw)が19日、テストマッチで歴代最多となる148試合を記録した現役生活に終止符を打ち、民間ヘリコプターのパイロットとして新たなキャリアを始めることを発表した。

 34歳のマッコウは、記者会見の冒頭で18日に死去したオールブラックスの名選手ジョナ・ロムー(Jonah Lomu)氏に1分間の黙とうをささげると、「私は現役を引退し、ラグビー生活を終えることになりました」と語った。

「オールブラックス、そしてラグビー選手としての最後の試合は、先日のW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)決勝だったことを皆さんにお知らせしたい」

 ワールドラグビー(World Rugby)の年間最優秀選手に3度選出された実績を持つマッコウは先月、W杯で連覇を果たした唯一の主将となり、史上最高の選手の一人として歩んできたキャリアを締めくくった。

 マッコウは、これまで引退の時期についてじっくり考えていたこと、そしてニュージーランドがW杯決勝でオーストラリアに34-17で勝利した際に、その時期がきたと悟ったことを明かした。

「あの試合で、ピッチでの最後の思い出を作れたことにとても満足している」

「それと、最後の数週間は自分にとって最高のラグビーを戦えたことも誇りに思う。そのような形で引退できて本当に満足だ」

 マッコウはまた、優秀なパイロットでもあり、現役を退いたあとは民間ヘリの操縦士としてキャリアを積む予定だと語っている。

「その仕事にとてつもない情熱を抱いている。8万人の前で走り回る興奮は何にも代えがたいが、それに引けを取らないものがある」

 オールブラックスのスティーブ・ハンセン(Steve Hansen)ヘッドコーチ(HC)は、10代だったマッコウを初めて見た当時を振り返り、「捕球できず、パスも投げられず、走れなかった」と冗談交じりに語った。

 しかし、ハンセンHCは去りゆく主将について、たゆまぬ努力でラグビー界のレジェンドに成長したと称えた。

 ハンセンHCは、「去り際を見極めなければならないなかで、彼はこれ以上の時期を選べなかっただろう」と述べている。

「彼は勝者であり、自分で決断を下した。われわれは、オールブラックスのために彼がしてきたことに対して永遠に感謝する」

(c)AFP