【10月5日 AFP】自転車ロードレースのヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)は、ブエルタ・ア・エスパーニャ(70th Vuelta a Espana)の第2ステージで、チームカーにつかまりながら走ったとして失格処分を科されてから約6週間が経った4日、自分の行動が間違っていたことを素直に認めた。

 イル・ロンバルディア(Il Lombardia 2015)で初優勝を飾ったアスタナ(Astana Pro Team)のニバリは、ブエルタでの出来事を「重大な間違いだった」と語っている。

 プロの自転車選手は、レース中にチームカーにつかまったり、スリップストリームを利用したりすることがある。これらの行為はルール上禁止されているが、悪質なものを除きほとんどは黙認されている。それをふまえても、ブエルタでニバリが取った行動は、目に余るものがあったようだ。

 大会ジャッジは証拠映像を見直し、8月23日にニバリに失格処分を言い渡すと、昨年のツール・ド・フランス(2014 Tour de France)覇者は、自宅でキャリアの汚点となった行いを反省しなければならなかった。

「自転車選手なら誰でも、良いときと、それほど良くないときがある。あの一連の出来事には本当に頭にきた。バイクにまたがって、僕が本当はどんな人間なのかを早く証明したかった。その思いが、僕にまったく新しいモチベーションを与えてくれた」

 鋭いアタックから「サメ(Squalo)」の異名を持つニバリは、気持ちを切り替えて練習に臨み、徐々に結果も出始めた。

 コッパ・アゴストーニ(Coppa Agostoni)で2位に入り、コッパ・ベルノッチ(Coppa Bernocchi)とトレ・ヴァッリ・ヴァレジーネ(Tre Valli Varesine)で優勝したニバリは、メモリアル・マルコ・パンターニ(Memorial Marco Pantani)で3位に入り好調を維持すると、4日のイル・ロンバルディアで「モニュメント」制覇の快挙を成し遂げた。(c)AFP