【8月24日 AFP】23日に行われた15F1第11戦ベルギーGP(Belguim Grand Prix 2015)決勝で、ピレリ(Pirelli)とタイヤがバーストしたフェラーリ(Ferrari)の間で、タイヤの安全性をめぐる舌戦が繰り広げられている。

 伊タイヤメーカーのピレリは、残り2周で破裂したタイヤを「容認できない」と批判したフェラーリのベッテルに対し、一夜明けて反論している。

 ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)、ニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)のメルセデスAMG(Mercedes AMG)勢に次ぐ3位につけていたベッテルは、ケメル・ストレート(Kemmel Straight)でタイヤが破裂し、走行不能となってポイントを逃しているが、レース後に命すら失ってしまう可能性があったとコメントしている。

 これに対しピレリは、多くのチームが2ストップ、あるいは3ストップを採用する中、フェラーリが1ストップ戦略を採用したことがベッテルのタイヤが高速でバーストした理由だとして反論している。

 ベッテルのマシンの右リアタイヤは、ピットストップから28周目に破裂したが、フェラーリは作戦は理にかなったもので、ピレリの技術者に承認されたチームのデータに基づいたものであったと主張している。

 フェラーリのマウリツィオ・アリバベーネ(Maurizio Arrivabene)代表は、「全てのチームにピレリのエンジニアがいる。エンジニアは何をしていると思う?ガムをかむためにそこにいるのではない。タイヤをチェックし、チームから上がってきたデータを読み取るためにいるのだ」と語っている。

 論争が激しさを増す中、ピレリは声明を発表し、ベッテルの事件を防止し得たピレリの提案をF1の各チームが却下していたことを明かしている。

「2013年11月以来、ピレリは同一のタイヤセットで走行できる最大周回数を管理するための規制を設けるよう要請してきました。正確なタイヤの消耗を計るためのパラメーターの導入も求めてきました」

「この要請は受け入れられませんでした。提案は、最大周回数をプライムタイヤではレース距離の50パーセント、オプションタイヤでは30パーセントとするというものでした」

「これらの条件を今回のスパ(Spa)に適用していれば、ミディアムコンパウンドでは最大周回数は22周に制限されていたのです」

(c)AFP