■「生きるため」の両脚切断も

 最初の死者は、全身の9割にやけどを負った女性で、事故の2日後に亡くなった。以後、さらに6人が亡くなっており、7人目の死者は今月16日に死亡した。

 現在、386人が病院で治療を受けており、うち198人が重体となっている。また、重体患者のうち20人が全身の8割超にやけどを負っている。犠牲者の大半が18~25歳の若者だ。

 事故を受けて、日本の医師団が台湾に渡り、重傷患者の治療に関する助言を行った。台湾の当局は、海外からの移植用皮膚の調達に当たっている。

 全身の55%にやけどを負ったある女性(18)は現在、入院中の病院で安定した状態にあり、父親は回復に期待を寄せている。匿名を条件にAFPの取材に応じた父親は「娘は良くなっているが、今も悪夢にうなされる。そばにいてほしいと言って、眠りに落ちるまで私の手を握る」と語った。

 患者の家族は今後、長期間にわたって治療費の支払いを余儀なくされるが、台湾の当局は入院中の医療費を全額負担すると約束。リハビリについても支援する可能性がある。

 犠牲者とその家族の苦悩が続く中、生死をめぐる苦渋の決断が日々なされている。

 全身の95%にやけどを負ったフアン・ポウェイ(Huang Po-wei)さん(22)は、両脚の膝から下の部分を切断することを決めた。担当医は「彼には生きたいという強い意志がある。(切断術を)受けなければ生き続けることはできないと分かっていた」と話した。(c)AFP/Benjamin YEH, Michelle Yun