【5月9日 AFP】米メリーランド州(Maryland)ボルティモア(Baltimore)で黒人青年が警察の勾留中に死亡した事件を受けて米司法省は8日、ボルティモア市警察が組織的に公民権を侵害する人種差別的な行為をしていなかったか捜査を開始すると発表した。

 フレディ・グレイ(Freddie Gray)さん(25)は先月、警察車両の後部座席に乗せられていた際に受けた重度の脊髄損傷が原因で死亡。その後同市内でデモや暴動が発生し、州兵が動員され夜間外出禁止令が発令された。グレイさんの勾留と死亡に関わった警官6人が訴追されており、そのうちの1人は第2級殺人罪に問われている。

 ロレッタ・リンチ(Loretta Lynch)米司法長官は、「司法省は、ボルティモア市警察で日常的に米憲法や連邦法に違反する行為が行われていなかったか捜査を開始する」と述べた。

 先月、宣誓して司法長官に就任したばかりのリンチ氏は、「捜査は直ちに開始され、ボルティモア市警察の警察官らが、生命を奪うこともある過度の実力行使や、違法な捜索・押収・逮捕、差別的な警察活動などを行っていたかどうかに焦点が当てられる」と語った。

 ボルティモアのステファニー・ローリングスブレイク(Stephanie Rawlings-Blake)市長は捜査を歓迎。「わが市は、壊れてしまった警察と市民の関係修復に向けて進んでいる。大胆な改革が必要とされており、われわれはおじけづかずこの挑戦に立ち向かっていく」と話した。(c)AFP/Michael Mathes