【4月3日 AFP】ポルトガル人映画監督マノエル・ド・オリベイラ(Manoel de Oliveira)氏が2日、死去した。106歳だった。オリベイラ氏は、無声映画の時代からデジタル映像が主流となった現代に至るまで、その生涯を映画制作にささげた。

 数々の映画賞を獲得してきたオリべイラ氏は、1931年に映画監督としてのキャリアをスタートさせた。以後、その作品数は主要作品とドキュメンタリー映画を合わせて50本を超える。昨年には、体調に不安を抱えながらも、最後の作品となる短編映画を完成させた。

 オリベイラ氏は、1908年に北部の都市ポルト(Porto)で生まれた。1931年に最初の作品となる無声ドキュメンタリー映画『ドウロ河(Douro, Faina Fluvial)』を制作した。

 1942年には初めての長編作品『アニキ・ボボ(Aniki-Bobo)』で、ポルトの貧困地区でたくましく生きる子供たちを描いた。

 その後、1960年代後半まで続いたアントニオ・サラザール(Antonio Salazar)独裁政権下での抑圧と国内の不十分な社会基盤のため映画制作を一時中断。1963年になって2本目の長編作品『春の劇(Acto da Primavera)』を制作している。

 デジタル映像が主流となる時代になってからも、オリベイラ氏は作品制作を続けた。2012年には『家族の灯り(O Gebo e a Sombra)』を発表し、第69回ベネチア国際映画祭(Venice International Film Festival)で上映された。(c)AFP/Olivier DEVOS