【2月25日 AFP】2022年に行われるサッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)について、国際サッカー連盟(FIFA)の作業部会は24日、11月から12月にかけての大会開催を勧告した。――しかし、欧州のサッカー界はこれに対して即座に反発している。

 暑さの厳しいカタールの夏を避けるには、通常の夏季開催から時期を変更せざるを得ないと考えていたFIFAはこの日、欧州の各リーグ、世界各国のテレビ局からの反発を覚悟した上で冬季開催を提案した。日程は11月26日に開幕し、12月23日に閉幕になるとうわさされている。

 これに対して、イングランド・プレミアリーグの最高経営責任者(CEO)を務めるリチャード・スクダモア(Richard Scudamore)氏は、判断には「大いに失望した」とコメント。スペイン、ドイツ、フランスの関係者も反対の意向を示した。

 最終的な決定は、3月19日から20日にかけてスイスのチューリヒ(Zurich)で開催されるFIFAの理事会で下されるが、それまでの間は、激しいロビー活動が展開されるとみられている。

 FIFAはカタールのドーハ(Doha)で行われていた作業部会の会合終了後に声明を発表し、11-12月は「最も妥当な時期」だと述べた。

 FIFAのジェローム・バルク(Jerome Valcke)事務局長も、作業部会では2023年の1-2月開催などの「あらゆる選択肢」が検討されたとコメントした。

 バルク事務局長は、「どの案にも賛成と反対があるのは明白だが、協議から導き出された一つの解決策は、2022年は11-12月開催にするということだ」と話し、全員が納得する提案ではないことを認めている。

 11月26日から12月23日の開催ということになれば、大会期間は2014年のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)よりも短くなる。FIFAは、「提案された開催期間は、6つの大陸連盟すべてから全面的な支持を得ている」と声明で述べた。

 一方、開催地決定投票での不正が取り沙汰され、すでに守勢に回っている開催国カタールは、FIFAの決定を受け入れる考えを示した。

 大会組織委員会のハッサン・アル・サワディ(Hassan Al Thawadi)事務総長は、「われわれはこれまでも、FIFAの決定にわが身を委ねてきた。理事会がどんな決定を下そうと、それに従う」とコメントした。