【1月19日 AFP】2014-15アルペンスキーW杯は18日、イタリアのコルティーナ・ダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo)で女子滑降の第5戦が行われ、リンゼイ・ボン(Lindsey Vonn、米国)がW杯史上最多記録に並ぶ通算62勝目を挙げた。

 ボンは1970年から1980年にかけてアンネマリー・モザー・プレル(Annemarie Moser-Proell、オーストリア)氏が樹立した歴代最多記録に並んだが、けがで18か月間戦列を離れていなければ、もっと早い段階で快挙を達成していただろう。

 エリザベート・ゲルグル(Elisabeth Goergl、オーストリア)や、16日に行われた滑降第4戦を制したエレナ・ファンキーニ(Elena Fanchini、イタリア)を抑えて優勝したボンは、同じ会場で19日に行われるスーパー大回転で記録を更新する可能性がある。

 両親がコルティーナ・ダンペッツォにゆかりがあるボンは、「私にとって、本当に特別な勝利」と喜んだ。

「これらの記録は、私と家族にとってすごく特別なものです」

 男子ゴルファーのタイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)と交際中のボンは、この競技で最初に手応えを実感したのはコルティーナ・ダンペッツォだったと明かしている。

「(2004年1月に)ここで初めての表彰台を勝ち取ったけれど、ここまでやれるとは思っていなかった」

「その当時は、初めて優勝争いができる手応えがあった。だけど、歴代最多記録に並ぶなんて絶対にあり得ないと思っていた」

 この日は悪天候で視界が悪く、ドロマイト岩山で有名な滑走斜面が霧で覆われるなか、ボンはコースを滑り切って勝利を収めた。

 フィニッシュラインを通過した際、ボンは通算6勝を挙げている得意のコースで雪に体をうずめて喜んだ。

 2009年の世界選手権(FIS Alpine World Ski Championships)でゲルグルを僅差で抑えて世界女王に輝き、2010年バンクーバー冬季五輪の女子滑降で金メダルを獲得して以降、ボンはほかのスキー選手の追随を許していない。

 3位にはダニエラ・メリゲッティ(Daniela Merighetti、イタリア)が入り、オーストリアのバートクラインキルヒハイム(Bad Kleinkirchheim)から会場が変更になった16日の滑降で勝利したファンキーニは、この日も4位に入る健闘をみせた。

 ティナ・マゼ(Tina Maze、スロベニア)は5位に入り、総合首位の座をキープした。一方、昨季の総合女王で現在同3位につけるアンナ・フェニンガー(Anna Fenninger、オーストリア)は9位に終わっている。(c)AFP