【12月11日 AFP】国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)が、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されているペルーの「ナスカの地上絵(Nazca Lines)」の横に、気候変動への対応を呼び掛けるメッセージを設置したことに対し、ペルー政府が遺跡を傷つけたとして猛反発している。グリーンピース側は10日、謝意を表明したが、同国政府は受け入れない意向を示した。

 グリーンピースは同国の首都リマ(Lima)で開催されている国連気候変動枠組み条約第20回締約国会議(COP20)に合わせて、「ハチドリ」をかたどったナスカの地上絵の一つのすぐそばに「変化の時だ!将来は再生可能だ」のメッセージを設置していた。

 ペルー政府はこの行為を「攻撃」だと強く非難。「グリーンピースの違法行為により遺跡に深刻な影響が与えられた」として、実行した者の刑事責任を追及する考えを表明した。一方のグリーンピースは、働いてしまったかもしれない無礼について「深く憂慮している」との見解を表明。しかし、団体の代表と面会した同国政府高官は、団体側が「損害をもたらしたことを認めていない」として、「謝罪は受け入れなかった」という。

 1994年に世界遺産に登録されたナスカの地上絵は、プレ・インカ(Pre-Inca)時代にあたる約2000年前に描かれたとされている。(c)AFP